人を動かす 要約|デール・カーネギー
- Update Date:
- Post Date:
第一部:人を動かす三原則 (1)盗人にも5分の理を認める。 ■自分は悪くない。 殺人者でさえ、自分が悪いと思っていない。 人をしかるのは愚の骨頂。なぜなら人は自分が間違えていても 自分が悪いと思いたがらない。相手は防御体制をしいて自分を正当化し、 自尊心を傷つけられて反抗心をいただくようになる。 悪い人間ほど自分のことを棚にあげて人のことを言いたがる。 人を非難するのは天に向かってつばをするようなもので、 いずれ自分に帰ってくることを知るべきである。 ■賞と罰 動物実験では良いことをして褒美を与えるほうが間違って罰を与えるより よく物事を覚え訓練の効果が上がることがわかっている。 ■リンカーンの思想 リンカーンは完全に人間の心を支配したと言われる。 ある事件をきっかけ二度と人を馬鹿にした手紙を書かず、あざけること をしないように決意した。 南北戦争で司令官を次々取り替えねばならなかった。すべての司令官は ミスを犯してしまう。国民は無能な将軍を非難したが、心の平静を失わ なかった。「人を裁くな、自分が裁かれないためである。(マタイに よる福音書7章1節)」との聖書に従順に従った。 ※参考:マタイによる福音書7章1~8節 :01)人をさばくな。自分がさばかれないためである。:02)あなたがたがさばくそのさばきで、自分もさばかれ、あなたがたの量るそのはかりで、自分にも量り与えられるであろう。:03)なぜ、兄弟の目にあるちりを見ながら、自分の目にある梁を認めないのか。:04)自分の目には梁があるのに、どうして兄弟にむかって、あなたの目からちりを取らせてください、と言えようか。:05)偽善者よ、まず自分の目から梁を取りのけるがよい。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からちりを取りのけることができるだろう。 [amazon_link asins=’442210098X,4422684914′ template=’ProductCarousel’ store=’humanrelation777-22′ marketplace=’JP’ link_id=’5d39c304-6f6c-4d75-9c5d-72287b7adbb0′] ■ミード将軍 南北両軍の激戦が繰り広げられたとき敵軍が後退し始め自軍にチャンスが 回ってきた。当時の司令官ミードに攻撃の命令を送ったが、ミード将軍は 指令通りに行わず、攻撃を拒否した。そのうち、敵軍が退却し勝利の好機 を無駄にした。 リンカーンはミード将軍にあてて1通の手紙を書いた。 怒りに沸いたリンカーンの様子が見て取れる手紙だった。 しかし、その手紙はミード将軍に届かなかった。 リンカーンが投函しなかったためである。 もし自分が血で血を洗う戦場の様子を目にしたミード将軍の立場だったな ら、本当に攻撃できただろうか?と思いとどまったのではないかと考えら れる。 ■まとめ 人を非難する代わりに相手を理解するように勤めるべきだ。 すべてを知ればすべてを赦すことになる。 神様でさえ、人を裁くには、その人の死後までお待ちになる・・。 ましてわれわれが待てないはずもない。 第一の原則は「批判も非難もしない。苦情もいわない。」ことである。 (2)重要間を持たせる ■人間の欲求と自己の重要感 普通の人間であれば以下のようなものをほしがる。 1.健康と長寿 2.食物 3.睡眠 4.金銭 5.来世の生命 6.性欲の満足 7.子孫の反映 8.自己の重要感 このうち、めったに満たされないものが8番目の自己の重要感である。 前述のリンカーンにおいては人間はだれしもお世辞を好むと言う考え 方がある。 建築家が不朽の傑作を残せるのも小説家が偉大な小説がかけるのも この欲求による。 身近では最新のスタイルを身に着けたり新車を乗り回したり子供の 自慢話をするのもみなこの欲求があるためである。 少年犯罪も自分を英雄視してもらいたいことから犯罪を犯すことが多い。 自己の重要感を満足させる方法によってその人の性格・人格が決まる。 ■高い給料を得たシュワップ A・カーネギーが社長に迎えた人物にシュワッブがいる。 彼は巷の高給取りの実に500倍もの給料をもらっていた。 人を扱う名人だったためこれだけの給料を得た。 その秘訣は本人の言葉の引用から読み取っていただきたい。 「わたしには、人の熱意を呼び起こす能力がある。 これが私にとっては何物にも代えがたい宝物だと思う。 他人の長所を伸ばすには、ほめること、励ますことが 何よりの方法だ。 上役からしかられることほど、向上心を害するものはない。 わたしは決して人を非難しない。人を働かせるには奨励が 必要だと信じている。だから、人を褒めることは大好きだが けなすことは大嫌いだ。気に入ったことがあれば、心から賛成し、 惜しみなく讃辞を与える。」 「私はこれまでに世界各国の大勢の立派な人々と付き合って きたが、どんなに地位の高い人でも、小言を言われて働くとき よりも、ほめられて働くときのほうが、仕事に熱がこもり、 出来具合も良くなる。その例外には一度も会ったことがない」 どんな人間でも、何かの点で、私よりも優れている。 自分の長所を忘れて他人の長所を考えてみてはどうか。 そうなればお世辞は無用で、心からの賞賛を与えよう。 相手はそれを心の奥深くまでしまいこんで終生忘れない。 第二の原則は「卒直で、誠実な評価を与える。 」 (3)人の立場に身をおく ■自分に関心がある みな、自分のことでいっぱいである。 だから、人を動かす唯一の方法はその人の好むものを問題にし、 それを手に入れる方法を教えてあげることにある。 これを忘れては、人を動かすことはおぼつかない。 ■子供を動かす。 子供のタバコを吸わせたくないなら説教はいけないし、 自分の希望を述べてもいけない。 たばこを吸うものは野球の選手になりたくてもなれず、 100m走に勝ちたくても勝てないことを説明すればいい。 ■必ず返信が来る手紙 あるときカーネギーは甥に手紙を書いて「返事を書くように」など と書かずに返事が折り返し来るかどうか賭けをした。 彼は甥にとりとめもない内容で手紙を書いた。 ただ、追伸に5ドルずつ送ると書き添えた。 しかしその金は同封しなかった。 見事に折り返し“感謝の手紙”が来た。 「お手紙ありがとう・・・」 […]