七つの習慣
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▼目次
第1章:パラダイムと原則について
第2章:私的成功
第3章:公的成功
第4章:再新再生

▼概要
第1章:パラダイムと原則について

 ▽人格主義から個人主義へ移行してしまった現在

私たちは物事を「レンズ」を通してみている。そのレンズが世界観を作り出し
私たちのすべての行動を方向づけている。

成功についての書物を200年分さかのぼると驚くべき傾向科学されていた。しか
し最近50年間の成功に関する文献はその場しのぎの表面的で薄っぺらいもの
になってしまっている。

成功への基本的考えは第一次世界大戦後を境に「人格主義」から「個性主義」
へと移行した。個人主義手っ取り早く質の高い生活やほかの人との深い有意義
な関係を作る方法があると教えているためである。個人主義に移行する過程の
中で、「人格」という深いレベルがが無視されてしまっている。

 ▽農場の法則

場当たり的な理論は農場で春に種まきを忘れ夏は遊びほけて秋になってから
収穫を得るために必死にってがんばるようなものである。

表面的成功=才能などに対する社会的評価
真の成功 =優れた人格を持つこと

7つの習慣では「真の成功」に焦点を当てている。

 ▽パラダイムの転換

7つの習慣を学ぶにあたって、自分の持っているパラダイムを理解しそれを転換
する方法を知る必要がある。

人はそれぞれの頭の中におおきく2つのな地図(パラダイム)をもっている。
行動や態度、考え方はこれらの地図を元にしている。
・物事のありのままの姿
・物事のあるべき姿

ここでいう「物事のありのままの姿」とは、私たちのあるがまま(条件付けさ
れたまま)に世界を見ている。ということになる。
人間は物事をありのままに見ることはできない。
自分の知覚、パラダイムの中で認識するのである。

習慣を変えて著しい変化をもたらすにはるには行動や態度の源であるパラダイ
ムに働きかけ、転換する力が必要である。

 ▽問題の見方こそが問題である。

日々の仕事に忙殺される中で「もっと効率的な方法はないものか?」と今の
現状からすぐに抜け出す手がかりを探そうとする。

しかしそれが本当の問題なのだろうか?効率的な方法が見つかったところで
自分自身をコントロールしている状況が少し早く進むだけではないか?

平凡な教えかもしれないが、もっと物事、問題の本質を見つめることが重要である。

 ▽インサイドアウト

自分自身の内面を帰ることからはじめる。具体的には自分自身の根本的なパラ
ダイム・人格・動機などをかえることからはじめるということである。
信頼されたければ信頼性のある人になることである。

また、私的成功が公的成功に先立つ。
他人に対して約束したことを守る前に、自分に対する約束を守らなければならない。

アウトサイドインのやり方では人は被害者意識になる。うまくいかない状況を
周りや環境のせいにする。結婚生活では相手が変わることをお互い要求する。

 ▽習慣の成り立ちと、7つの習慣の構造

習慣は3つの要素から成り立っている。
「知識(何をするか、なぜするか?)」
「やる気(実行したい気持ち)」
「スキル(どうやってするか?)」

7つの習慣は構造的になっており、依存から自律、自立から相互依存へと
成長していく。

私的成功<依存から自立>
・第一の習慣:主体性を発揮する
・第二の習慣:目的を持ってはじめる
・第三の習慣:重要事項を優先する

公的成功<自立から相互依存>
・第四の習慣:Win-Winを考える
・第五の習慣:理解してから理解される
・第六の習慣:相乗効果を発揮する

・第七の習慣:刃を研ぐ
第7の習慣は再新再生であり、肉体、社会・情緒、知性、精神の4つの基本側面に
おいて定期的勝つバランスよく改善を図る習慣である。

●第2章:私的成功
・第一の習慣:主体性を発揮する
~あなたは創造主である。あなたは自分で考え、自分で決められる~

 ▽人間の性質や行動を説明する3つのパラダイム(決定論)

遺伝子的決定論…受け継いだ血のせいであるという考え
心理学的決定論…両親の育て方のせいだという考え
環境的決定論…自分の上司、妻、経済、国政の方針の清だという考え

これらの3つのパラダイムにより、それぞれの刺激に対して条件的反応として
習慣・行動が作られるという考え方をする。

 ▽選択の自由

人間は刺激に対して反応することで行動するようになるということであるが、
刺激と反応の間には「選択の自由」が存在し、この「選択の自由」に人間の人間たる
4つの独自な性質<自覚・想像力・良心・自由意志>がある。

この4つの独自な性質によって本能や訓練を超えて全く違う新しいプログラムを
自分で書くことができる。これらの性質に対しての責任を引き受けることで
主体性を発揮することができるようになる。

主体性は言葉にもあらわれる。左が反応的、右が主体的な言葉

反応的          主体的

どうしようもない → 代替案を考えてみよう
うまれつきだ   → ほかのやり方が選択できる
あいつは頭にくる → 自分で自分の感情をコントロールする
反応的な言葉はそれが「自己達成予言」となり、決定付けられているというパラダイム
を強くもつり用になり、その信念を支える根拠を積み上げることになる。
つまり、反応的な言葉で自分を決定付けてしまい、抜け出せなくなる

 ▽関心の輪と影響の輪

私たちは健康、家族、仕事、経済、世界平和など多くの関心ごとをもつ。
関心の輪を描くことで関心を持っている事柄とそうでないものを分けることができる。
関心の輪の中で、実質的にコントロールできるものとそうでないものを分ける。
コントロールできるものが影響の輪である。

主体的な人は努力と時間を影響の輪に集中し、自らが影響できる事柄に働きかける。
そして影響の輪を外に広げていく。

反応的な人は関心の輪に集中している。環境や他人の欠点など自分のコントロール
できない場所に集中し、関心の輪が影響の輪を侵食し、自分でコントロールできる
部分もコントロールできなくなる。

 ・第二の習慣:目的を持ってはじめる
~知的創造を実際に行う~

  ▽最後の姿を描く

人生の最後の姿を描きそれを念頭において今日という一日をはじめる。
そうすることで自分にとって何が本当に大切なのかをベースに今日の行動、明日の
行動、来週の行動、来月の行動を計画することができる。

すべてのものは二度つくられる。知的な第一の創造と物的な第二の創造である。
第二の習慣は知的な創造を行うということになる。

  ▽ミッションステートメント

最も簡単で大きな効果をもたらす方法は個人のミッションステートメント(信条)を
書くことにある。これは個人の憲法といえる。すべての行動を評価し、方向づけるも
のになる。

  ▽生活の中心

ミッションステートメントを書くには自分の影響の輪の中心からはじめる必要がある。
生活の中心に何をおくとしても下記四要素の根源となる。
・安定性…自己尊厳・アイデンティティ
・方向性…人生における方向
・知恵…生活におけるバランス感覚
・力…行動し、目標を達成する力

これらの四要素は相互関係にある。安定性と明確な方向性によって知恵が生まれ、
知恵は力を目標達成の方向に向かせる。この要素のバランスをとることで美しく
一体化された人格が形成される。
自分の安定性、方向性、知恵、力をみつめることで自分の中心を見つけることが
できる。

 ・第三の習慣:重要事項を優先する
~物的創造を行う~

人間は自覚・想像力・良心・自由意志という独自の性質を持つ。
第三の習慣、自己管理を可能にするのはこの自由意志にある。
効果的なマネジメントは「重要事項を優先する」ことにある。

  ▽時間管理のマトリックス

緊急性・重要性の2軸で4領域に分けられる
・第一領域:緊急かつ重要
・第二領域:緊急でないが、重要
・第三領域:緊急だが重要でない
・第四領域:緊急でも重要でもない

第一領域は言うまでもなく優先させなければならない。
人が陥るのは第三領域に必要以上の注力をしてしまうことにある。

第二領域は重要にもかかわらず緊急性がないためいつまでたってもなかなか手を
つけられていない。

  ▽時間管理のステップ

(0)原点:ミッションステートメント

(1)役割を定義する

(2)目標設定

(3)スケジュール化

(4)日々の対応

ミッションステートメントを元に自分の役割を明確にする。
役割が明確になったときやるべきことの目標をたてられるようになる。
立てた目標を成し遂げるスケジュールを考える。
※このとき、自分でやるか人に任せる(デレゲーション)するかを判断する。
最後にスケジュールをもとに行動する。

以上が時間管理のステップになる。

 第3章:公的成功
信頼がなければ友情はない。誠実さがなければ、信頼はない。

  ▽信用残高
信用残高は下記の行為で貯えることができる。些細な間違いはその残高によって
補われる。

(1)相手を理解する。
(2)小さなことを大切にする。
(3)約束を守る。
(4)来た家を明確にする。
(5)誠実さを示す。
(6)引き出しをしてしまったときは、誠意を持って謝る。

  ▽愛の法則と人生の法則

私たちは見返りを求めず無条件の愛で預け入れを行うとき、愛の基礎的な法則を
守っていることになる。そういった好意で相手に安定感と安全な気持ちを感じさ
せ、相手は本来の価値を感じることができアイデンティティが肯定される。

愛は相手の自然な成長を促進させ人生の基礎的な法則(協力・貢献・自制・誠実)
に沿って生活する動機付けになる。

 ・第四の習慣:Win-Winを考える

▽Win-Winの5つの柱

(1)人格
すべての土台となるのが人格となる。下記の三要素が必要である。
・自分自身におく価値である「誠実」
・勇気と思いやりのバランスである「成熟」
・すべての人を満足させることが可能である「豊かさマインド」

(2)関係
信頼がなければ開かれた相互の理解は得られず、創造力は発揮されない。
Win-Winの関係を求めるならばそれを可能にする関係を築くことに誠心誠意
とりくまなければならない。

(3)合意
お互いの関係を高めた上で合意がつくり出せる。合意の上で実行協定を結ぶ。
相互依存の接し方を定義し、方向付ける役割がある。

(4)システム
Win-Winを存続させるためにシステムが必要になる。Win-Loseの行動による
報いが与えられては鳴らない。

(5)プロセス
Win-Winの結果を望む際にふむプロセスは下記のようであると望ましい。
・問題を相手の立場から見る。
・対処すべき課題と関心ごとを明確にする
・完全に納得できる解決にはどういう結果を確保しなければならないかを明確にする。
・達成するための新しい案や選択肢を打ち出す。

 ・第五の習慣:理解してから理解される

▽感情移入

人に影響を与えるには人に影響されなければ始まらない。話す訓練は受けても、聴く
訓練を受けることはまれである。
相手の話を聴くときに下記のような自叙伝的聞き方をしては相手が心を開けない。
・評価する
・探る
・助言する
・解釈する
相手を本当に理解するには、感情移入して話を聴くことが有効になる。
相手の内容を自分の言葉でいい、同時に感情を反応する。

 ・第六の習慣:相乗効果を発揮する

  ▽相乗効果を発揮できる場を作る。

お互いが学びあい、新しいことに気づいていくとき、更なる理解、学習、成長を
促すという信念で相乗効果を求めるプロセスをはじめる。
相乗効果を生み出すには心を開いてお互いの意見を聴くことができる安全な環境
をつくり、ブレインストーミングをはじめす。このさい評価したい気持ちを抑える。
全体が新しい方向性、考え方、発想を持って生まれ変わったようになる。

数人の行動によって全員に対して自由と創造力を制限するようでは相乗効果を
生み出す可能性を台無しにしてしまう。

  ▽相乗効果で成功を妨げるブレーキをはずす

現在得られている結果は上向きの成長を促す駆動力と、それを妨げる抑止力の
均衡であるという。

そのレベルを改善するためには駆動力をあげるだけでは達成できない。
抑止力を省く方向に向ける必要がある。そのときには第四の習慣の態度、第五の
習慣のスキルと第六の習慣のエネルギーを向ければいい。

 第4章:再新再生
・第七の習慣:刃を研ぐ

再新再生には4つの側面がある。
・肉体的側面
・精神的側面
・知的側面
・社会・情緒的側面

ほとんどの人生哲学は何らかの形でこの4つの側面に触れている。
それぞれにおいて刃を研ぐ(自分を磨く)ことが第七の習慣である。

肉体的側面で刃を研ぐことは自分の身体を大切にすること
食事に気を使い、ランニングにより持久力を、柔軟性をストレッチにより、
強さをトレーニングによって鍛える。

精神的な側面を再新再生するには人生に自己リーダーシップを発揮することである。
自分の価値観に対して決意することである。
コーヴィの場合は聖書を読み祈りにふける時間を設けている。

知的能力は正式な教育によってなされる。
主体的な人であれば自分自身を教育するために自ら様々な方法を見出すものである。

上記3点は第一、二、三の習慣とかかわっているのに対して最後の社会・情緒は
第四、五、六の習慣とかかわってくる。情緒的側面は人との関係によって育成
され表現されるものなので、普段の生活でほかの人と接する活動を通して行う
ことができる。

最後に

これらの7つの習慣について決意し、実行し、学んでいくプロセスを繰り返すことで
上向きのらせん状のスパイラルを作り出すことができる。