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症状別の基礎知識頭痛

頭痛:緊張型頭痛・片頭痛・頸原性頭痛の違いと、手技療法の位置づけ

国際頭痛分類による主な頭痛の見分け方、すぐ受診すべき危険な頭痛、首の施術が役立つ頭痛と役立ちにくい頭痛。

頭痛は、肩こりや首こりと一緒に訴えられることの多い症状です。頭痛には多くの種類があり、種類によって適切な対処が大きく異なります。本稿では、国際頭痛分類(ICHD-3)にもとづいて、主な頭痛の違いと、手技療法との関係を解説します。

1. まず確認したい危険な頭痛

次のような頭痛は、くも膜下出血、脳出血、髄膜炎、動脈解離など、命に関わる病気の可能性があります。施術ではなく、すぐに医療機関(場合によっては救急)を受診してください。

  • 突然起きた、これまでに経験したことのない激しい頭痛(「バットで殴られたような」)
  • 発熱、首の硬さ、意識がもうろうとする
  • 手足のまひやしびれ、ろれつが回らない、物が二重に見える
  • だんだん悪化していく頭痛、50歳以降に初めて起きた頭痛
  • 頭を打った後の頭痛
  • 首の痛みを伴う突然の頭痛(首の動脈解離の可能性)

2. 主な頭痛の違い

緊張型頭痛 片頭痛 頸原性頭痛
痛む場所 頭全体、両側、後頭部 片側が多い(両側のことも) 片側の後頭部から始まり前へ広がる
痛み方 締め付けられる、圧迫される ズキンズキンと脈打つ 鈍い痛み。首を動かすと誘発される
強さ 軽度〜中等度 中等度〜重度 さまざま
体を動かすと 悪化しない 悪化する 首の動きで悪化
伴う症状 ほとんどない 吐き気、光や音が過敏になる。前兆(ギザギザした光など)がある人も 首の動きの制限

日本人の片頭痛の有病率は約8%と報告されており(Sakai & Igarashi, 1997)、女性に多い頭痛です。緊張型頭痛は最も多い頭痛で、多くの人が経験します。

3. 頸原性頭痛とは

頸原性頭痛は、首(主に上位頸椎とその周囲)の問題から生じる頭痛です。上位頸椎の神経(C1〜C3)は、頭の痛みを伝える三叉神経の神経核と脊髄内で合流しているため、首の痛みが頭の痛みとして感じられることがあります。首を動かしたり、首の特定の場所を押したりすると頭痛が再現されることが特徴です。

4. 手技療法は役立つのか

  • 頸原性頭痛:首への手技療法と運動療法の組み合わせが有効とする臨床試験がある。最も手技療法との相性がよい頭痛と考えられる。
  • 緊張型頭痛:マッサージや手技療法、鍼が頭痛の頻度や強さを減らす可能性が報告されているが、根拠の質は高くない。鍼については緊張型頭痛の頻度を減らすとするコクラン・レビューがある。
  • 片頭痛:脳の神経の働きが関わる病気で、手技療法の効果ははっきりしない。予防・治療の薬が進歩しているため、まず頭痛外来や神経内科で相談することが勧められる。鍼は片頭痛の予防に効果があるとの報告がある。

なお、片頭痛の発作中に首や肩を強く揉むと、かえって痛みが強まることがあります。片頭痛かどうか分からない場合は、医療機関で診断を受けてから施術を検討しましょう。

5. 頭痛ダイアリーのすすめ

頭痛が起きた日時、痛みの強さ、場所、伴う症状、飲んだ薬、睡眠や月経、天候などを記録しておくと、頭痛の種類の判断や、誘因の発見に役立ちます。痛み止めを月に10日以上飲んでいる場合は、薬の使いすぎによる頭痛の可能性もあるため、医師に相談してください。

参考文献

  • Headache Classification Committee of the International Headache Society (IHS). The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition. Cephalalgia. 2018;38(1):1–211.
  • Sakai F, Igarashi H. Prevalence of migraine in Japan: a nationwide survey. Cephalalgia. 1997;17(1):15–22.
  • Jull G, et al. A randomized controlled trial of exercise and manipulative therapy for cervicogenic headache. Spine. 2002;27(17):1835–1843.
  • Linde K, et al. Acupuncture for the prevention of tension-type headache. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2016;(4):CD007587.
  • 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 監修『頭痛の診療ガイドライン2021』医学書院, 2021.

本記事は一般的な学術情報の解説であり、診断や治療の代わりにはなりません。強い痛み、しびれ、発熱、排尿・排便の異常、急な脱力などがある場合は、まず医療機関を受診してください。

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